この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
- 経理・会計・財務はどう違うの?
- 私の仕事は経理・会計・財務のどれ?
- 経理・会計・財務の経験はどう役立つ?
こんな悩みはありませんか?実は経理・会計・財務の違いを知らない経理部員は多いです。なぜなら経理部員の実務では経理・会計・財務が混同している業務も多いから。
私は経理部員として5年以上。経理・会計・財務全ての分野を経験しています。その中で自身の経験と調査をもとに3つの分野の違いを整理しました。
この記事では経理・会計・財務の違いやそれぞれのキャリアパスについて解説します。この記事を読むことで自分が今どの分野を中心に働いているかが分かり、将来のキャリアを考えるきっかけがつかめますよ!結論として経理・会計・財務の違いは以下のとおりです。
- 経理:日々の取引を記録して企業の財務状況を管理する
- 会計:経理が作成したデータをもとに、会社の財務状況を分析し報告する
- 財務:資金の調達、予算管理、投資など、企業の資金運用が中心
それぞれの特徴や得られる経験が異なる部分も多いので、経理・会計・財務の違いを認識して日頃の業務への理解を深めましょう。
経理・会計・財務の違い
経理・会計・財務は混同しがちですが、異なる役割を持っています。実際には経理部員として3つの業務を少しずつ対応することもありますが、それぞれの違いは明確にしておきましょう。
【経理と会計】業務範囲が違う
経理と会計は業務範囲が違います。一般的に経理は会計の一部として、役割分担は以下のとおりです
- 経理:日々の取引を記録して企業の財務状況を管理する
- 会計:経理が作成したデータをもとに、会社の財務状況を分析し報告する
経理は会計の一部として会社の財務状況を管理します。それを分析や社内外への報告に繋げるのが、会計の役割です。
実際には経理部員として両方対応することも多いです!
【会計と財務】扱う資金が違う
会計と財務は、扱う資金の性質と目的が違います。同じ「資金」に対しても、見る角度が異なるのです。
- 会計:財務状況の分析・報告が目的で、資金もその一部
- 財務:資金の調達、予算管理、投資など、企業の資金運用が中心
会計は資金に関しても分析と報告を行います。財務はその報告をもとに、実際の資金の調達や運用を対応する役割です。
中堅以上の企業だと、明確に経理部と財務部が分かれていることも多い印象です!
経理とは企業の財務状況を管理する仕事
経理の業務内容
経理は企業の財務状況を正確に記録し、管理することが仕事です。具体的な経理の業務内容は以下のとおり。
- 売上管理
- 仕入管理
- 仕訳処理
- 伝票管理
- 請求書発行
- 税金計算
- 決算書作成
経理の業務は幅が広く、企業の健全な運営に不可欠な役割を果たしています。経理の業務で適切に財務状況を管理することが、全ての基盤になるのです。
実際会計系キャリアは経理の業務から始める人が多いです!
経理に求められる能力
経理の仕事は企業の財務状況をミスや漏れなく正確に把握し、管理できないといけません。そのため以下のような能力が必要とされます。
- 簿記の知識:適切な会計処理の土台
- 計算力:集計や確認など正確な計算能力
- 計画性:月次対応をスムーズに行うためのスケジューリング能力
経理に求められる能力は財務状況を正確に管理するために不可欠です。これらの能力があると、経理の仕事を通して企業の維持に会計の面で貢献することができます。
経理におすすめの資格
経理に最もおすすめの資格は日商簿記検定(簿記)です。簿記は経理の基礎知識を証明する資格として認知度が高く、経理の採用基準としても要求されることが多いから。具体的には各級で以下のような特徴があります。
- 簿記3級:基本的な商業簿記の知識や、経理関連書類の適切な処理能力が問われる
- 簿記2級:より高度な商業簿記・工業簿記の知識が問われ、企業からのニーズが高い
- 簿記1級:会計学・工業簿記・原価計算の知識や会計関連法規への理解が必要で、最も高度なレベル
経理分野で働く場合、簿記は経理のスキルを証明し、キャリアアップに直結する重要な資格です。特に簿記2級は実務に必要な知識や財務諸表を読み解く力が身につき、転職にも役立ちます。経理として働くならぜひ取得しておきましょう。
もし簿記を勉強済みなら、他の会計系資格もおすすめです。
>>経理におすすめの資格(準備中)
会計とは企業の財務状況を分析・報告する仕事
会計の業務内容
会計の業務内容は、主に財務会計と管理会計の二つに分けられます。これらは企業の財務状況を分析し、関係者に報告するために重要です。
財務会計 | 管理会計 | |
---|---|---|
目的 | 外部のステークホルダー(投資家、債権者、税務当局など)に向けた情報提供 | 内部の意思決定者(経営者や部門責任者など)に対して、経営の効率化や戦略策定のための情報提供 |
業務内容 | 貸借対照表作成、損益計算書作成など | 予算策定、コスト管理、業績評価など |
会計の仕事は財務会計・管理会計という二つの異なる側面から構成されています。これら会計の役割により、企業は外部へ適切な報告を行い、内部で効果的な意思決定をすることができるのです。
企業によっては財務会計と管理会計担当が分かれるほど、奥が深い業務です。
会計に求められる能力
会計の仕事は財務状況の確認、分析、報告を円滑に対応できないといけません。そのため財務会計・管理会計それぞれで以下のような能力が求められます。
- 数値理解力:財務データへの理解
- 正確性:外部への誤りのない正確な情報提供
- 慎重さ:会社法などの法規制を遵守した対応
- 分析力:財務データをもとに経営やコスト管理に役立つ情報の分析
- 適応力:臨時の分析依頼などへの柔軟な対応
- プレゼン力:経営者や部門責任者の意思決定を支援するための情報提供
会計に求められる能力は財務会計分野と管理会計分野で異なります。担当する分野の能力が高いと、会計業務の質と効率も高まりますよ。
会計におすすめの資格
会計分野では簿記を始めとした難易度の高い資格がおすすめです。難易度が高い資格の方が、昇進や転職で有利になるから。具体的には以下のような会計系資格が難易度も高く価値があります。
- 簿記2級
- 簿記1級
- USCPA
- USCMA
会計系資格は会計分野での専門性を示してくれます。これらを取得することは会計キャリアを歩むうえで大きなアドバンテージになりますよ。
USCPAはアメリカの公認会計士資格。グローバルなキャリアを目指す経理部員におすすめです。
USCMAは管理会計に特化した国際資格。管理会計分野を担当したい経理部員におすすめです。
会計は財務会計と管理会計に分かれます。管理会計分野を担当したい人はそれに合った資格がおすすめです。
財務とは企業の資金を調達・管理する仕事
財務の業務内容
財務は企業の資金を効率的に調達し適切に管理する仕事です。資金がなければ倒産してしまうため、財務は企業の成長と安定を支える重要な役割を持っています。財務の具体的な業務内容は以下のとおり。
- 財務戦略の検討・立案:企業の長期的な財務計画を策定
- 予算編成・管理:各部門の予算を決定し、その実行を監督
- 資金調達:銀行融資や株式・社債の発行を通じて必要な資金を確保
- 余剰資金の運用:投資やM&Aによる企業価値の向上
財務の仕事は資金の調達と管理を戦略的に行うことです。それにより企業の財政健全性と成長を支えています。
規模が大きい企業だと財務部として独立していることも多いです。
財務に求められる能力
財務の仕事では資金の管理だけでなく、戦略的な調達や運用も必要です。そのため求められる能力は以下のとおり。
- 分析力:データを読み解き適切に分析する
- 問題解決力:予測不能な事業展望に対応し、問題を理解して解決策を提案する
- コミュニケーション能力:資金に関して経営層や部門責任者と継続的にやり取りする
財務では多岐にわたる能力が求められますが、上記の3つは特に重要。このような能力が過去や現在のデータを読み解き未来の予測を立てることにつながります。
財務におすすめの資格
財務は資金に関する仕事のため、簿記を始めとした資格に加えて一歩踏み込んだ資格がおすすめです。具体的には以下のとおり。
- 簿記2級
- ビジネス会計検定
- FP(ファイナンシャルプランナー)
上記の資格は財務で働くために必要な専門知識を深めてくれます。財務としてのキャリアアップにも役立ちますよ。
ビジネス会計検定は企業分析に特化した資格。財務諸表を読み解くスキルが身につきます。
FPは財務計画の立案や資産管理に関する知識を証明する資格。財務の専門性をアピールできます。
経理・会計・財務のキャリアパス
経理・会計・財務それぞれのメリット
経理・会計・財務の各分野を経験することは、キャリア形成においてそれぞれ大きなメリットがあります。
経理を経験するメリット
経理経験は会計系キャリアのベースとなってくれます。なぜなら会社の過去や今の財務状況を管理することが、会計や財務のメインである分析や報告、予測へとつながるから。経理を経験するメリットは以下のとおりです。
- 財務諸表を作る工程が分かる
- 財務知識が深まる
- 数値の整合性を意識できる
- 会計システムへの理解が深まる
- 会計や財務分野へのベースとなる
経理を経験すると、財務諸表を作成するという会計系キャリアのベースが学べますよ。
まずは経理から経験してキャリアアップしている人も多いです!
会計を経験するメリット
会計の経験は、会計系でキャリアアップするために重要なステップです。財務状況の分析や報告など、より意思決定に近い仕事を経験できるから。会計を経験するメリットは以下のとおりです。
- 財務諸表を読み解けるようになる
- 財務データの分析・解釈能力が高まる
- 会計と経営を結びつけて考えられる
- 説明やプレゼン経験ができる
- 意思決定に貢献できる
会計を経験すると、財務データの分析力を高め経営層の意思決定を支援する能力が身につきます。
財務を経験するメリット
財務経験は、会計系キャリアでの専門性の獲得につながります。財務は企業の資金に関する深い経験ができるから。財務を経験するメリットは以下のとおりです。
- 財務分析から行動に起こすフローを学べる
- 企業の資金運用に関する深い知識を得られる
- 企業の戦略について未来視点で考えられる
- 資金に関連した専門性の高い経験ができる
財務を経験すると、未来志向で戦略的に考える経験ができ、資金に関する専門性が身につきます。
経理・会計・財務それぞれの分野を経験することで、会計系キャリアでの専門性をより一層高めることができます。どの分野の経験もメリットがあるので、今の経理部員としての仕事をじっくり経験することから始めましょう。
経理・会計・財務のキャリアパス
経理・会計・財務の分野はそれぞれ専門性が高いですが、キャリアパスは似ています。なぜなら同じ会計系の仕事だから。具体的には以下のように経理・会計・財務担当者には様々なキャリアパスが存在します。
- 経理・会計・財務間でキャリアチェンジ
- 経営企画にキャリアチェンジ
- 大企業へ転職
- 中小企業へ転職
- ベンチャー企業へ転職
- 外資系企業へ転職
- 部長やCFOなど経営層を目指す
- 各分野のスペシャリストを目指す
- 財務・会計コンサルタントを目指す
- 税理士を取得し独立
- 公認会計士を取得し独立
上記は一例ですが、経理・会計・財務のキャリアは多様で自分の興味や強みに合わせて様々な道が開けます。経理部員であることだけに満足せず、もう一歩踏み込んだ専門性を獲得しましょう。
経理・会計・財務の仕事は企業ごとでニーズが異なります。経験と資格で専門性を高め、各企業のニーズをつかむことでキャリアアップを目指すことができますよ。
経理・会計・財務キャリア形成のポイント
経理、会計、財務のキャリア形成においては、共通点として以下4つが重要なポイントです。
- 実務経験
会計系キャリアで最も重視されるのが実務経験。職歴や役職と合った実務経験が求められます。
- ITスキル
現代の会計系業務はIT化が進んでいます。システムやExcel、RPAやAIを駆使した業務対応ができるとニーズが高いです。
- コミュニケーション能力
会計系キャリアで意外に重要なのがコミュニケーション能力。経営層や他部門に対して適切なアドバイスやサポートができる人材が求められます。
- 専門資格
経理・会計・財務の資格は、専門知識の証明になります。昇進や転職で評価されることも多くキャリアアップに直結します。
経理・会計・財務のキャリアを形成するには、上記のポイントを押さえることが重要。会計系人材としての専門性と価値を高めていくことが長期的なキャリア形成につながります。
経理・会計・財務は会計系の専門業務!それぞれのメリットを把握しよう
経理・会計・財務の各分野は専門性が高く、それぞれの経験には大きなメリットがあります。それぞれの特徴は以下のとおり。
- 経理:日々の取引を記録して企業の財務状況を管理する
- 会計:経理が作成したデータをもとに、会社の財務状況を分析し報告する
- 財務:資金の調達、予算管理、投資など、企業の資金運用が中心
どのキャリアを目指す場合でも、以下4つのポイントが重要です。
- 実務経験
- ITスキル
- コミュニケーション能力
- 専門資格
主に経験と資格を生かして長期的な会計系キャリアを形成していきましょう。
特に経理経験は会計系キャリアのベースとなるので、早い段階で経験することがおすすめです。