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- 簿記ってどういうもの?
- 簿記で何が学べてどんなメリットがある?
- 簿記資格は何から始めればいい?
こんな悩みはありませんか?実は簿記を知らない人は多いです。なぜなら簿記は商業高校や大学生から学び始めることが多く、仕事でも経理くらいしか日常的に簿記の知識を使わないから。
私は簿記と出会って10年以上。簿記3級と2級を取得し、現役経理部員として毎日簿記の知識を生かして働いています。
この記事では簿記の概要や役割、簿記で学べる知識、メリット、簿記資格の選び方について簿記3級・2級取得者が解説します。この記事を読むことで簿記の全体像が分かり、自分がどの簿記資格から勉強を始めるべきかが理解できます!
結論として簿記とは企業の経済活動を管理することです。簿記を学ぶと企業の経済活動を「お金の動き」という数字で理解できるようになります。
簿記はすべてのビジネスパーソンにおすすめの知識です。
簿記とは企業の経済活動を管理すること
簿記の概要
簿記とは企業の経済活動を詳細に記録し、管理することです。簿記を使って企業の経済活動を「お金の動き」という視点で捉え、記録・整理していきます。
これは家計簿をつけることに似ています。家計簿をつけると「何に」お金を使ったのかが一目で分かりますよね。例えば光熱費が多ければ節電を検討する、外食費が多ければ自炊を増やすなどの対策が可能です。
企業活動においても簿記によってお金の流れを明確にすることで、経営判断に役立てることができます。
簿記を使って帳簿をつけるのが経理の仕事のひとつです。
簿記の役割
簿記の役割は企業の経済活動を正確に記録し、財務情報を把握できるようにすること。簿記の具体的な役割は以下のとおりです。
簿記の役割 | 詳細 |
---|---|
売上と費用の記録 | 商品やサービスの売上とそれにかかる費用を記録。これにより企業の利益や損失を把握できる。 |
資産と負債の管理 | 現金や在庫、設備といった資産と借入金や未払金などの負債を記録。企業の財務状況を明確にする。 |
財務諸表の作成 | 貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成。財務情報を社内外の利害関係者に提供。 |
簿記を使うと企業の経済活動が数値化されます。数値化された財務情報は法令遵守や内部管理、経営判断の材料として重要な役割を果たします
簿記は帳簿に記入するだけのものではありません!
簿記は企業経営の共通言語
簿記は企業の経営状態を把握するための共通言語といえます。
例えばあなたが初めて訪れるレストランがあるとします。そのお店の味が自分に合うかどうかを判断するためには、実際に食事してみないと分かりません。
しかし食べログなどの口コミサイトで他のお客さんが投稿した写真やレビューを見れば、ある程度の判断材料になります。
簿記もこれと同じです。簿記は一定のルールに基づいて企業の経済活動を記録し、財務諸表という形で表現します。この財務諸表を見ることで、誰でもその企業のお金の状況を理解することができます。
簿記は企業の経済活動という複雑な事象をお金の流れの視点で捉え、誰にでも分かりやすく表現するための技術です。企業の財務状況を理解するうえで簿記の考え方は非常に役立ちます。
経営者や管理職との会話では、簿記をもとにした会計数値を使って話をします!
簿記で学べる5つの知識
簿記を勉強して学べる知識は、以下のとおり大きく5つあります。
- 企業取引の計算
- 企業取引の記録
- 企業取引の整理
- 財務諸表の作成
- 財務諸表の分析
どれも企業を数字で理解するために必要な知識です。
企業取引の計算
簿記を学ぶことで企業取引の計算方法を習得できます。企業取引の計算が簿記の基本的な要素だから。計算ができないと簿記を理解することはできません。
簿記における企業取引の計算の実例は以下のとおり。
計算 | 売上総利益の計算 | 減価償却費の計算(定額法) | 利益率の計算 |
---|---|---|---|
計算式 | 売上高-売上原価 =売上総利益 | (取得価額- 残存価額)÷耐用年数 =年間減価償却費 | (利益÷売上高)×100 =利益率 |
具体例 | 1,000,000円-600,000円 =400,000円 | (500,000円-50,000円)÷5年 =90,000円/年 | (200,000円÷1,000,000円)×100 =20% |
簿記で学ぶ企業取引の計算は、ビジネスの数字を正確に理解し分析するための基礎となります。簿記を学ぶことで、企業活動を数値で表現する力を養うことができるのです。
簿記に必要な計算は算数レベルでOKです!
企業取引の記録
企業取引を計算したらそれを記録します。簿記の学習ではその手法を学ぶことも可能です。企業取引を詳細に記録することは、以下の理由から重要です。
- 企業の全体的な財務状況を明確に把握できる
- 株主や投資家に対して信頼性を提供できる
- 税務署や監査法人への報告義務を果たせる
- 経費削減や収益性向上等への重要な資料となる
企業取引の記録に関する具体例は以下のとおり。
状況 | 売上の記録 | 支出の記録 | 入金の記録 |
---|---|---|---|
事例 | 商品Bを200個、単価600円で販売した | 事務用品を5,000円購入した | 顧客Cから10万円の入金を受けた |
記録方法 | 売上帳に「商品B販売:数量200、単価600円、 合計120,000円」と記録 | 支出帳に「事務用品購入:金額5,000円」と記録 | 入金帳に「顧客C:入金100,000円」と記録 |
簿記を学ぶことで企業取引の正確な記録が可能。まずこの記録プロセスを理解することが、財務分析や経営管理につながる簿記学習の基本ステップです。
企業取引を帳簿に記録することが簿記の基本です。
企業取引の整理
企業は日々多くの取引を行っており、それらは日付順に記録されています。しかしこの状態で経営状況を把握することは容易ではありません。そこで必要となるのが「企業取引の整理」です。このプロセスでは主に以下の作業を行います。
- 仕訳の転記:個別に記録された取引を勘定科目ごとに分類し、集計
- 試算表の作成:集計結果に基づき試算表を作成し、記録の正確性を検証
- 決算整理:1年間の取引を締め切って決算整理仕訳を行い、期末の財務状況を把握
例えば1か月間の取引記録が以下のようにあったとします。
日付 | 取引内容 | 金額 |
---|---|---|
10月1日 | 仕入 | 10,000円 |
10月5日 | 売上 | 30,000円 |
10月10日 | 備品購入 | 5,000円 |
10月15日 | 売上 | 45,000円 |
10月20日 | 給料支払い | 50,000円 |
これらの取引を整理すると、以下のように勘定科目ごとに集計できます。
勘定科目 | 金額 |
---|---|
売上高 | 75,000円 |
仕入 | 10,000円 |
給料 | 50,000円 |
備品 | 5,000円 |
さらに決算整理仕訳などを行い、最終的に財務諸表を作成する準備が整います。
企業取引の整理は、記録された取引を財務諸表作成へとつなげる重要なプロセスです。簿記を学ぶと勘定科目ごとに整理する考え方も身につきます。
勘定科目ごとに整理することで、財務諸表を作る準備ができます。
財務諸表の作成
財務諸表の作成は、簿記の集大成といえるプロセス。財務諸表は企業の経営成績や財政状況を報告・分析するための重要資料です。財務諸表は主に以下の4つから構成されます。
財務諸表 | 特徴 |
---|---|
貸借対照表(B/S) | 企業の資産、負債、資本の状況を表す |
損益計算書(P/L) | 企業の収益と費用の状況、最終的な利益または損失を表す |
キャッシュ・フロー計算書(C/F) | 企業の現金と預金の増減を表す |
株主資本等変動計算書(S/S) | 株主資本(資本金や利益剰余金など)の変動を表す |
これらの財務諸表によって企業の経営状況を多角的に確認できます。簿記の習得により企業取引を記録できるようになるだけでなく、財務諸表という重要資料まで作成できるようになります。
財務諸表を作成して提供できるのが、簿記知識を持つ人の強みです。
財務諸表の分析
財務諸表の数字だけを見ても、企業の状態が良いのか問題を抱えているのかを判断することはできません。
そこで重要となるのが財務諸表の分析です。様々な分析指標を用いることで、数字の背後に隠された企業の実態を明らかにすることができます。
財務諸表の分析には様々な指標が存在しますが、代表的なものをいくつか紹介します。
- 収益性分析:売上高利益率、自己資本利益率(ROE)など
- 安全性分析:流動比率、自己資本比率など
- 効率性分析:総資産回転率、棚卸資産回転期間など
これらの指標を用いて業界平均値や過去の数値と比較することで、企業の強みや弱みを把握することができます。
財務諸表の分析は企業の現状を正しく理解し、未来を予測するために欠かせないスキルです。簿記を学ぶことで、財務諸表を分析し実務に生かす力を身につけることができます。
財務諸表の分析は、簿記が分からないとできない貴重なスキルです!
簿記を学ぶ5つのメリット
簿記を学ぶと以下のようなメリットがあります。
- 財務諸表の読み方が分かるようになる
- 就職や転職で生かせる
- 副業やフリーランスにも役立つスキルが身につく
- ビジネス用語と経済ニュースの理解が深まる
- 自己資金と家計の管理能力が向上する
簿記3級・2級ホルダーの現役経理部員が、実体験をもとにそれぞれ解説します。
簿記を学ぶメリットの詳細はこちらの記事をご覧ください。
>>簿記3級のメリット(準備中)
>>簿記2級のメリット(準備中)
財務諸表の読み方が分かるようになる
簿記を学ぶと企業の活動内容や経営状況を表した財務諸表を理解し、より深く企業を分析できるようになります。簿記では財務諸表が作成される仕組みと分析手法を学べるからです。
例えばあなたはある企業に転職しようと考えているとします。その際企業の財務諸表を見ることで、以下のような情報を得ることが可能です。
- その企業がどれだけの資産を保有し、どれだけの負債を抱えているのか
- その企業の売上と費用はどれくらいか、そして最終的にどれだけの利益を上げているのか
- その企業の資金繰り状況が良いのか悪いのか
これらの情報が転職のひとつの判断材料になります。
簿記を学ぶことで、財務諸表を読むために必要な知識を身につけることができます。財務諸表を理解できるようになれば、就職活動や転職活動、投資判断など様々な場面で役立ちますよ。
財務諸表が読めることは、転職のミスマッチを減らすことにもつながります。
就職や転職で生かせる
簿記の知識や資格は経理だけでなく営業や販売など幅広い職種で生かすことができ、就職や転職においても有利に働きます。
企業活動においてお金の流れを理解することは非常に重要です。そのため簿記の知識を持った人材は、経理に限らず多くの企業から求められています。
実際に求人情報サイト「doda」で「簿記」と検索すると、経理だけでなく営業や販売、人事など様々な職種の求人がヒットします。
それぞれの職種で簿記が生かせる理由は以下のとおり。
職種 | 簿記の知識が生かせる理由 |
---|---|
経理 | 財務諸表の作成や分析など、経理業務全般に必要不可欠な知識である |
営業 | 売上目標達成のための予算管理や顧客への見積もり提示、売上分析などに役立つ |
販売 | 売上管理や在庫管理、顧客管理など、店舗運営に必要な数字を理解するために役立つ |
人事 | 給与計算や社会保険手続きなど、人事に関する数字を扱う際に役立つ |
広報 | 広報・宣伝活動の予算管理や効果測定などに役立つ |
簿記は特定の職種だけでなく、ビジネス全般で役に立つスキルです。就職や転職においてライバルに差をつける強力な武器となります。
簿記の資格は経理はほぼ必須!経理以外は強力な差別化になります。
副業やフリーランスにも役立つスキルが身につく
簿記を学ぶことは、正確な収支管理や確定申告の知識を習得することにつながります。
これらの知識は副業やフリーランスで収入を得る際にも必須。副業やフリーランスで仕事をする場合、特にお金の管理は事業の成功を左右する重要な要素だからです。
簿記の知識を事業のお金の管理に生かす例は以下のとおり。
事業を継続的に成長させるためには、収入と支出を把握し適切な経営判断を行う必要があります。簿記の知識があれば、帳簿の作成や分析を通して事業の現状を客観的に把握できます。
副業やフリーランスで一定以上の収入を得た場合、確定申告を行い税金を納める必要があります。簿記の知識があれば、正確な所得計算や必要経費の計上を行い節税対策もしやすくなります。
副業やフリーランスに避けて通れないのがお金の管理。事業の安定と成長のために、簿記は多くの場面で役に立ちます。
私も副業の収支管理で簿記の知識をふんだんに生かしています!
ビジネス用語と経済ニュースの理解が深まる
簿記を学ぶとビジネス用語の知識が増え、ビジネスニュースや経済動向をより深く理解できるようになります。ビジネスや経済ニュースでは、企業の業績や経済状況を伝える際に簿記・会計の知識を前提とした用語や指標が頻繁に登場するからです。
ビジネス用語や経済ニュースの理解が深まる具体例は以下のとおり。
ニュースの内容 | 理解できること |
---|---|
A社の売上高は前年比10%増、 営業利益は20%増 | 売上増加だけでなく、費用を抑制して効率的に利益を上げていることが読み取れる |
B社の自己資本比率は 30%と低い | 借入金への依存度が高く、財務リスクが高い状態だと判断できる |
簿記の学習により、ビジネスや経済の情報を正しく理解するための「読み解く力」を養えます。ビジネス用語や経済ニュースが理解できると、ビジネスパーソンとして一歩有利になりますよ!
簿記が分かると経済ニュースをより深い視点で理解できるようになります。
自己資金と家計の管理能力が向上する
簿記は企業のお金の動きを記録・管理するためのものですが、その仕組みは家計管理にも応用できます。簿記では収入と支出を分類して記録し、お金の流れを明確にすることを重視します。この考え方は家計管理においても非常に有効です。
家計管理に簿記の知識を生かすメリットは以下のとおり。
収入と支出を記録することで、自分が何にいくら使っているのかを客観的に把握できます。
支出を項目別に分類することで、無駄な出費が多い部分を見つけやすくなります。
収入と支出のバランスを把握することで、無理のない予算を立て計画的に貯蓄や投資を行うことができます。
簿記を学ぶことで家計管理に必要な知識やスキルも身につきます。無駄な支出を減らし貯蓄や投資を増やすなど、より健全な家計管理を実現できますよ!
私も簿記の知識をプライベートに生かして、毎月無駄な支出をチェックしています!
簿記資格の種類
簿記資格には以下のとおり3つの種類があります。
- 日商簿記
- 全経簿記
- 全商簿記
自分に適した簿記資格を勉強できるように、それぞれの特徴や違いを把握しましょう。
名称 | 日商簿記 | 全経簿記 | 全商簿記 |
---|---|---|---|
主催組織 | 日本商工会議所 | 公益社団法人 全国経理教育協会 | 全国商業高等学校協会 |
難易度 | 初級、3級、2級、1級 | 基礎簿記会計、3級、2級、1級、上級 | 3級、2級、1級 |
受験者数 | 20,927名 :3級統一試験 (2024年6月) | 3,734名 :3級 (2024年7月) | 6,524名※うち高校生6,420名 :3級 (2023年6月) |
特徴 | 企業の経理部門や会計事務所など幅広く認知されており、 就職や転職、キャリアアップに有利 | 日商簿記より低難易度から始められて、 商業簿記と工業簿記を分けて受験できる | 商業高校の生徒を対象とした試験で、 簿記の基礎を学ぶための入門的な資格 |
おすすめな人 | 簿記を勉強したいすべての人 | 経理の専門学生 | 商業高校の生徒 |
参考:商工会議所の試験「受験者データ」
参考:公益社団法人 全国経理教育協会「受験データ・合格率」
参考:公益財団法人 全国商業高等学校協会 統計資料 簿記実務検定試験「令和5年度 第96回 簿記実務検定試験申込者数・受験者数・合格者数集計表」
迷ったら日商簿記を勉強すればOKです!
知名度No.1!簿記資格の代表格「日商簿記」
日商簿記は簿記資格の中で最も知名度が高く、ビジネスシーンで広く活用されています。一般的に「簿記」と呼ばれるのは日商簿記を指すことがほとんどです。
社会人や主婦が簿記を勉強したい場合は、日商簿記を選んでおくと間違いありません。
日商簿記が選ばれる理由は以下のとおりです。
日本商工会議所が実施する試験であり、受験者数も多く全国的に信頼されています。
実務に直結する知識を習得でき、転職やキャリアアップで評価が高まる要因となります。
経理以外にも営業や販売など幅広い職種、家計管理や投資にも活用可能です。
日商簿記は経理・会計分野での基礎から応用まで幅広い知識を証明する資格。知名度も抜群なのですべての人におすすめの簿記資格です。
日商簿記は知名度と信頼性が抜群!簿記初心者は迷ったら日商簿記を受験しましょう。
経理の専門学生が多く受験する「全経簿記」
全経簿記は経理の専門学生が受験する傾向にあります。日商簿記より低い難易度から始められて、簿記初心者の最初のステップにおすすめです。全経簿記が選ばれる理由は以下のとおりです。
全経簿記は基礎簿記会計から上級まで幅広い難易度で受験が可能です。全経簿記の2級は日商簿記3級レベルと言われているため、低い難易度から簿記を始めたい人におすすめ。
日商簿記では2級以降商業簿記と工業簿記を一度に受験しないといけません。全経簿記なら1級までは分けて受験ができるので、片方ずつじっくり勉強することが可能です。
全経簿記は経理の専門学生が受験する事が多く、経理事務を仕事にしたい人におすすめです。難易度や試験範囲が細かいため、日商簿記の前段階として受けてみることも可能です。
日商簿記だと難易度や範囲が大変だなという人は、まず全経簿記からこつこつ勉強することもできます!
商業高校生の多くが取得する「全商簿記」
全商簿記は主に商業高校生を対象とした試験です。商業高校で学習する内容に沿っており、簿記の基礎的な内容を中心に学びます。全商簿記が選ばれる理由は以下のとおりです。
全商簿記は商業高校の学習内容に沿っているため、学んだことを資格取得で証明できます。
全商簿記は簿記の基礎的な内容が中心。まずは基礎を固めたい簿記初心者におすすめです。
全商簿記は資格を進学に生かしたい高校生や簿記の基礎を学びたい人におすすめ。簿記の基礎知識を身につけるための登竜門として、日商簿記受験の前に受験してみることも可能です。
日商簿記の前に、簿記の基礎レベルから勉強したい人におすすめです。
自分に合った日商簿記資格の選び方
日商簿記は初級2つから3級、2級、1級と難易度が上がっていきます。ここでは3級から1級まで実際に勉強した筆者が、レベル別に日商簿記の選び方を解説します。
それぞれの基本情報は以下のとおり。
名称 | 簿記3級 | 簿記2級 | 簿記1級 |
---|---|---|---|
概要 | 商業簿記の基礎知識が中心で、 個人商店や中小企業の基本的な会計処理を学ぶ | 中小企業における帳簿や決算書の作成に必要な知識、 原価計算の知識を学ぶ | 商業簿記や工業簿記に加え、 管理会計や財務会計の高度な概念を学ぶ |
試験科目 | 商業簿記 | 商業簿記・工業簿記 | 商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算 |
受験方法 | 統一試験、ネット試験 | 統一試験、ネット試験 | 統一試験 |
受験日程 | 2,6,11月(統一試験)、 指定日を除くほぼ毎日(ネット試験) | 2,6,11月(統一試験)、 指定日を除くほぼ毎日(ネット試験) | 6,11月(統一試験) |
試験時間 | 60分 | 90分 | 90分×2 (商業簿記&会計学、工業簿記&原価計算) |
受験料 | 3,300円 | 5,500円 | 8,800円 |
合格率 | 45%前後 | 25%前後 | 10%前後 |
勉強時間 | 80〜100時間(通信講座利用) | 200〜250時間(通信講座利用) ※3級レベルの知識があるとみなす | 500〜600時間(通信講座利用) ※2級レベルの知識があるとみなす |
メリット | 会計の基本的な流れを理解でき、 日常のビジネス活動での経理処理に役立つ | 経理や財務の実務に直結する知識を得られ、 知名度も高く就職や転職に有利 | 公認会計士や税理士などの専門資格へのステップとなり、 会計分野でのキャリアアップにつながる |
参考:TAC「簿記の合格率と難易度・勉強時間は?くわしく解説します!」
簿記初心者は3級から勉強を始めましょう。3級より簡単な「初級」もありますが、認知度が低いので簿記初心者でも3級から勉強を始めることがおすすめです。
日商簿記3級:簿記の基礎を習得し、簿記・会計分野へのきっかけとなる
日商簿記3級は、簿記の基礎を習得できる資格。経理未経験者やこれから簿記を学びたい初心者にとって最適なスタートラインといえます。
簿記3級がおすすめな人は以下。該当する人は簿記3級から始めましょう。
- 経理や会計の基礎知識を身につけたい初心者や学生
- ビジネスや家計の基本的なお金の管理を学びたい人
- 起業を考えている、または自営業を開始したばかりの人
- 経理職への就職や転職を考えている新入社員
- 日常生活でお金の流れを意識したい人
私は大学生のときに簿記に出会い、簿記3級の勉強から始めました。そのとき簿記・会計の面白さを知り、今では外資系大企業で経理として働いています。
日商簿記3級は簿記の世界への入り口となる資格。短期間で取得しやすく簿記の基礎知識を学べます。簿記を学び始める第一歩として、簿記3級から始めてみてください。
簿記3級は知識ゼロからでも取り組みやすいです!
簿記3級について詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
>>簿記3級とはどんな資格?(準備中)
日商簿記2級:実務スキルを証明し、就職・転職・キャリアアップに生かせる
日商簿記2級は、企業の経理業務を一人で一通りこなせるレベルの実務知識を証明できる資格です。就職や転職、キャリアアップを目指す人にとって大きな強みとなります。
簿記2級がおすすめな人は以下。該当する人は簿記2級を取得しましょう。
- 経理関連分野でのキャリアアップを考えている社会人
- 中小企業での経理や財務の業務に携わりたい人
- 製造業など工業簿記の知識が必要な職に就きたい人
- 将来的に公認会計士や税理士を目指している人
- 財務諸表を理解し、企業の経営状況を分析したい人
私は就活で簿記2級を評価され、新卒で経理になれました。実務でも簿記2級の知識を生かせていることが多いです。転職でも簿記2級が採用条件の経理採用が多く、簿記2級のおかげで経理キャリアを順調に歩めています。
日商簿記2級は簿記の知識を生かしてキャリアアップしたい人にとって、取得する価値の高い資格です。特に履歴書に書けるのは簿記2級からともいわれています。
現役経理部員や経理になりたい人はぜひ取得しましょう!
簿記2級について詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
>>簿記2級とはどんな資格?(準備中)
日商簿記1級:高度な知識とスキルで会計のプロフェッショナルに
日商簿記1級は企業の会計処理や財務分析に関する高度な知識とスキルを証明する、最難関レベルの資格。取得者は大手企業の経理部門や会計事務所などで専門性の高い業務を担当できます。
簿記1級がおすすめな人は以下。該当する人は簿記1級を取得しましょう。
- 公認会計士、税理士などの高度な専門資格を目指す人
- 大企業の経理部門でリーダーシップを発揮したい人
- 会計のプロフェッショナルとして企業の財務分析に携わりたい人
- 将来的にCFO(最高財務責任者)を目指している人
- 会計事務所や監査法人で専門性の高い業務に従事したい人
私の同僚でも簿記1級を取得している人が複数います。部署内で一目置かれている人が多く、若手のエースとなっている人も。簿記1級を取得することは経理部員としての高い評価につながります。
日商簿記1級は容易に取得できる資格ではありません。しかし取得者に与えられるステータスや、キャリアの可能性は非常に大きいです。
会計分野でキャリアを高めたい人は、簿記1級取得を検討しましょう!
簿記資格の勉強方法
日商簿記3級:基礎を固めれば合格を狙える
簿記の学習を始めるにあたって、最初の目標となることが多いのが日商簿記3級です。おすすめの勉強方法は通信講座。独学でも十分合格はできますが、通信講座の方がコスパが良く効率的です。
日商簿記3級の勉強詳細は以下のとおり。
合格率 | 45%前後 |
学習時間 | 80〜100時間(通信講座利用) |
おすすめ勉強方法 | 通信講座、独学 |
簿記3級の勉強には以下のポイントがあります。
- 通信講座や参考書をメインにインプット
- Youtubeやスマホアプリで難しい論点を補助学習
- 問題集を繰り返し解き、本番形式の模試を受ける
日商簿記3級は独学でも十分合格を狙えますが、目的に応じて通信講座か独学かを検討しましょう。
簿記3級の詳しい勉強方法についてはこちらの記事をご覧ください。
>>簿記3級の勉強方法(準備中)
日商簿記2級:高難易度で応用力も養う必要あり
日商簿記2級は、企業会計や財務諸表に関する深い知識を証明できる資格。簿記を実務や転職、キャリアアップに生かしたい人は取得を目指しましょう。
日商簿記2級の勉強詳細は以下のとおり。
合格率 | 25%前後 |
学習時間 | 200〜250時間(通信講座利用) ※3級レベルの知識があるとみなす |
おすすめ勉強方法 | 通信講座 |
簿記2級の勉強には以下のポイントがあります。ほとんど簿記3級と同じですが、3級と比べると難易度が大幅に上がるので独学は容易ではありません。
- 通信講座をメインにインプット
- Youtubeやスマホアプリで難しい論点を補助学習
- 問題集を繰り返し解き、本番形式の模試を受ける
日商簿記2級は、3級に比べ難易度が上がります。通信講座の活用が効率的な合格への近道です。
簿記2級の詳しい勉強方法についてはこちらの記事をご覧ください。
>>簿記2級の勉強方法(準備中)
日商簿記1級:資格予備校必須な簿記の最高峰資格
日商簿記1級は、会計のプロフェッショナルを目指す人が挑戦する最高峰の簿記資格。高度な会計知識と応用力が求められ、合格率は10%前後と非常に難関です。
日商簿記1級の勉強詳細は以下のとおり。
合格率 | 10%前後 |
学習時間 | 500〜600時間(通信講座利用) ※2級レベルの知識があるとみなす |
おすすめ勉強方法 | 通信講座 |
日商簿記1級勉強のポイントとしては、通信講座を活用すること。私は独学で1年ほど勉強しましたが、受験するまでにも至らず挫折したことがあります。
日商簿記1級は合格率10%前後の非常に難関な資格です。通信講座を活用した正しい勉強方法で計画的に学習を進めましょう。
簿記1級はかなりの難関資格です。通信講座に沿って学習を進めることが一番の近道!
簿記に関するよくある質問
簿記が向いている人の特徴は?
簿記が向いている人の特徴は以下のとおり。
- 数字を扱うことが好きな人
- 企業や経済に興味がある人
- パズルを解くのが好きな人
- 論理的に考えられる人
- コツコツと学習を進めるのが得意な人
大切なことは「簿記を学びたい」という意欲を持ち、コツコツと学習に取り組むことです。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
>>簿記が向いている人の特徴(準備中)
簿記を学ぶと人生が変わるってほんと?
簿記を学ぶと人生が変わるきっかけになります。
私もなんとなく始めた簿記3級の勉強から、簿記2級を取得し現在は経理部員として働いています。簿記3級をきっかけに自分の仕事を決めたので、それまでとは人生が変わったことを実感しています。
簿記を学ぶだけで人生が大きく変わることはありません。しかし人生が変わるきっかけにはなります。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
>>簿記を学ぶと人生が変わる?(準備中)
簿記は必要なくなると聞いたけど…?
簿記はAI やシステム化が進んだとしても、完全に不要になることはありません。簿記で得られる知識には経営判断に必要な情報の抽出・分析、不正リスクの発見・防止など高度なものも存在するから。
これらの業務はAI で完全に代替することは難しく、今後も簿記の知識を用いた人間の分析や判断が不可欠です。
AI やシステム化が進む現代においても、簿記の知識はビジネスパーソンにとって必須のスキルといえるでしょう。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
>>簿記は必要なくなる?(準備中)
簿記の学習におすすめの電卓はある?
簿記の学習では、3級・2級の場合は1,000円程度の電卓で十分です。ただ日本商工会議所によると、以下のような電卓は試験では使えないので注意が必要です。
計算器具(そろばん、電卓。どちらかを1つ)を使用しても構いません。ただし、電卓は、計算機能(四則演算)のみのものに限り、例えば、以下の機能があるものは持ち込みできません。
・印刷(出力)機能
・メロディー(音の出る)機能
・プログラム機能(例:関数電卓等の多機能な電卓、売価計算・原価計算等の公式の記憶機能がある電卓)
・辞書機能(文字入力を含む)
(注)ただし、次のような機能は、プログラム機能に該当しないものとして、試験会場での使用を可とします。日数計算、時間計算、換算、税計算、検算 (音の出ないものに限る)
引用:商工会議所の検定試験「簿記 試験科目・注意事項」
私の場合カシオの1,000円程度の電卓で簿記2級まで合格しました。特に簿記初心者は、高額すぎる電卓を購入する必要はありません。
100均などの小さい電卓は打ちづらいのでやめておきましょう。
>>簿記におすすめの電卓は?(準備中)
簿記は独学で取得できる?
簿記はレベルによっては独学でも十分に取得可能な資格です。
特に日商簿記3級レベルであれば、参考書や問題集、無料オンラインサービスなどを活用すれば自分のペースで学習できます。
しかし私は自分の経験から、簿記3級から通信講座を受講することをおすすめしています。その理由は以下のとおり。
- ほとんどの人が簿記に初めて触れるので理解が難しい
- 資格は取れても意味を深く理解できない場合がある
- 資格は取れても実務で生かせる知識を得られない場合がある
資格取得のみが目的の人以外は、通信講座を活用して体系的に簿記を理解しましょう。
独学で始めてみて、難しければ通信講座を利用することも可能です!
簿記3級、2級のおすすめの勉強方法はこちらの記事をご覧ください。
>>簿記3級の勉強方法(準備中)
>>簿記2級の勉強方法(準備中)
まとめ:簿記を学んで企業を数字で理解しよう
簿記は企業を数字で理解できるようになる資格。財務諸表の作り方から分析方法まで学べるので、すべてのビジネスパーソンにおすすめです。
簿記の知識があると以下のようなメリットを得られるので、気になる人はぜひ資格取得を検討してみてください。
- 財務諸表の読み方が分かるようになる
- 就職や転職で生かせる
- 副業やフリーランスにも役立つスキルが身につく
- ビジネス用語と経済ニュースの理解が深まる
- 自己資金と家計の管理能力が向上する
簿記初心者は基礎を学ぶために日商簿記3級から始めることをおすすめします。簿記3級の詳細はこちらの記事をご覧ください。
>>簿記3級とは?(準備中)